今回の記事では、強制決済価格(ロスカット)について解説していきたいと思います。
仮想通貨を運用していくにあたって、『強制決済価格があるのは知っているけど、わざわざ計算するのは面倒でしていない。』という方が多いと思います。しかし、事前に強制価格を知ることでリスク管理に繋げることが可能です。
また、仮想通貨FXはレバレッジ取引を可能にすることで資金効率を上げることが可能です。その反面、レバレッジを高くすればするほどロスカット(強制決済)がされやすくなります。タイミングが悪ければ注文を発注した数秒でロスカットされてしまう場合もでてきます。
そのため、事前に計算し強制価格を知っておくことでチャートと照らし合わせて注文を出すタイミングが決めやすくなります。自分の資金を守る手段の一つとして、是非最後まで読んで頂ければと思います。
仮想通貨FXの基礎知識:レバレッジ・ロスカットとは?
レバレッジ取引とは>>>自分の資金を担保に数倍〜数十倍の取引を可能にします。
(例)1万円(運用資金)×レバレッジ100倍=100万円
レバレッジをかけることで100万円分のポジションを、1万円の資金で持つ事が可能です。
仮想通貨取引所によってレバレッジの振り幅は異なります。
(日本の取引所は最大2倍・海外は最大888倍)
ロスカットとは「強制決済価格」のこと
レバレッジ取引を行う際『ロスカット』という用語をよく聞くと思いますが、強制決済価格を意味しています。
ロスカットとは>>>取引所が設定している証拠金維持率を下回ると保持しているポジションが強制的に自動で決済される制度です。
強制的に取引を終了させられてしまう(ロスカット)と聞くとどこか悪いイメージがありますが、自分の資金をこれ以上失わない制度でもあります。
この強制決済価格と同じくらい耳にするのが『追証』だと思います。
追証とは>>>保有しているポジションに対して一定の損失が出てしまった場合、追加で資金をいれる必要がでてくる制度のこと。
追証はこの『ロスカット(強制決済価格)』より前に請求されるものです。
ロスカット追証の違い
追証のルールもロスカット同様に取引所によって異なりますが、基本的に証拠金維持率が満たしていない場合追証の請求が発生し決済する必要があります。
この請求を、期日までに解決しなかった場合その時点で強制決済されこれを『追証ロスカット』と言います。
ロスカット追証の違いとは>>>発生する基準が異なる。
ロスカットは担保の証拠金以上の損失を防ぐための『損切り』です。一方追証は、相場変動による必要証拠金の不足分の請求になります。
どちらも証拠金維持率に余裕があれば行われないものなので、取引する際は資金に余裕を持って取り組むのがおすすめです。
なぜ「ロスカット」は行われるのか
『ロスカット』は、自分が取引口座に入れた資金に対して、損失が拡大しすぎないように強制決済される仕組みになっています。
そのため、『ロスカット』が行われる意味としては損失の拡大を一定におさめる保護対策になると考えます。
ロスカットルールの比較
取引所によってロスカット(強制決済価格)のルールは異なりますので自分の利用している取引所がすでにある方は再度確認してみてください。
取引所名 | 証拠金維持率 |
bitFlyer | 50 %を下回った時点でロスカットルールが適応。 |
GMOコイン | 30%を下回った時点でロスカットルールが適応。 |
BINANCE | 100%を下回った時点でロスカットルールが適応。 |
Bybit | 証拠金維持率を基準としておらず、独自の「破産価格」を基準としている。※要確認 |
海外と国内の取引所でも大きな違いがあります。海外取引所を利用したトレードの方がリスク管理がしやすいかもしれません。
証拠金維持率の計算方法
上記でお伝えしたように、証拠金維持率を下回るとロスカットが実行されてしまいます。事前に証拠金維持率を求め担保資金やポジションを決めた運用はリスク管理につながります。
証拠金残高(口座資金ー損失額)÷必要証拠金(ポジション÷レバレッジ数)×100
=証拠金維持率
証拠金維持率の計算方法はこのように求められる為、自分が設定する『レバレッジ』によってもロスカット(強制決済価格)は変化します。excelなどで自分の早見表などを作成するのがおすすめです。
FX計算ツールがあったのでこちらを参考にするのもいいかもしれません。こちらから▶FX計算ツール
仮想通貨FXでのレバレッジとロスカットの関係
レバレッジを設定する際『分離マージン』『クロスマージン』の選択が求められます。
このマージンによってもロスカット(強制決済価格)に違いがありますので確認が必要です。
分離マージンは自動的にロスカット価格が決まる
証拠金の一部のみをポジションに利用します。
強制決済時には、初回の証拠金と保持しているポジションに後から追加した証拠金のみが失われます。
分離マージンの場合>>>注文時の証拠金に応じてロスカット価格は自動的に決まります。
ポジションに利用される証拠金は、トレーダーの口座残高から分離される機能です。
クロスマージンは口座残高に応じてロスカット価格が決まる
証拠金口座内の利用可能残高すべてをポジションに利用します。
強制決済時には、利用可能残高すべてが失われます。
クロスマージンの場合>>>ロスカット時の口座残高に応じてロスカット価格が決まります。
ポジションに利用される証拠金は、自動的にトレーダーの口座から補充される機能です。
補足:レバレッジ1倍の場合はロスカットが存在しない
レバレッジ取引では、このようにレバレッジ1倍での取引も可能です。
1BTC=$50,000の際にレバレッジ1倍でポジションを保有したとします。
証拠金維持率の計算方法に当てはめると、100%損失(ロスカット)になる場合1BTC自体に価値が全くない事を意味します。
そのため、BTC自体がなくならない限りレバレッジ1倍の取引ではロスカットは存在しないと言えるでしょう。長期で運用したい人にはおすすめです。
仮想通貨FXのロスカット計算方法のまとめ
追証やロスカット(強制決済価格)は、仮想通貨取引所によって定められている証拠金維持率によって求めることが可能です。
証拠金維持率は取引所によって異なりますので、ご自身が利用している取引所のガイドラインを事前に確認することをおすすめします。
証拠金についてより詳しい内容を知りたい方は下記記事を参考にしてください。最後まで読んでいただきありがとうございました。